絶品トマトは快適な「樽」育ち

したたるとまと

宮崎市清武町。平野と山間のちょうどあいだっこ。高低差のある土地が目立ち、大規模工場、農地、住宅地、大学など車を走らせればいろんな姿が目に入ります。そんな清武町でも山の方、民家のある地域を過ぎ、急な坂道をぐんぐん登っていく。そうすると天空かと見間違えるほど景色がいい場所へたどり着く。曲がりくね、入り組んだ道の先にはビニールハウスが。そこはクリムゾンフィールドの農園でした。

博士の考えるおいしさのメソッド

農業生産法人株式会社クリムゾンフィールドは宮崎では珍しくトマトの生産・出荷を専業でおこなっている農園です。トマトの栽培も樽栽培(養液栽培)という一般の人々からすると「樽ってなんだろう」と疑問に思ってしまう特殊な栽培方法を取っています。

発泡スチロールの容器(樽)にヤシがらや杉の皮を混ぜたものを詰め、一定間隔の時間で培養液を与えトマトを育てます。この栽培方法の一番のメリットは土を媒介した病気を防ぐというもの。農作物は土からくる病気と空気からくる病気の双方にさらされています。畑に作物を植え育てる露地栽培は、太陽の光を存分に浴びて育つことができますが病気にさらされやすいというリスクを抱えます。それに対し、樽栽培は地面に根を張っていないので土の病気にさらされません。また、それぞれの樽ごとで苗を育てていくため、仮にある苗が病気になったとしても、その樽を排除してしまえばほかの苗を守ることができます。

「僕はもともとプラズマテレビの開発をするエンジニアだったんですよ。だから就農経験も浅い。キャリアが浅くてもできる栽培方法を考えたら樽に行き着きました」と話すのは代表を務める柳田英明さん。名刺には「博士(工学)」の文字が。工学博士として培った経験と知識を生かし、トマトにとって快適な環境をつくり出すことで、トマトが本来持つ自然なおいしさを引き出しています。そして「土の病気の影響を受けない」というメリットを生かし、農薬を使わずに自根苗で育てています。

「その土地の気候や環境にあったやり方、自然に合わせた形で育てていくのが一番いいはずなんですよね。それは人にとっても。人間都合でそうはならないことが多いのですが」。そんな思いを持つ柳田さんによって育てられたトマトは、こだわりのパン屋さんが素材として使ったり、カフェで販売されたりと確かなファンを抱えています。

プログレッシブなドライトマト

クリムゾンフィールドで育てられるのは主に「フルティカ」というトマト。フルティカは抗ストレス作用のあるGABAが豊富な品種です。さらにクリムゾンフィールドのトマトはリコピンという抗酸化作用のある色素の値が非常に高いのが特徴です。それはトマトが完熟するのを待って収穫しているためです。クリムゾンフィールドでは出荷や配送を自分たちでおこなっているため新鮮で赤々と完熟したトマトを店舗に運ぶことができます。

ただ、完熟での収穫は欠点もあり、どうしても熟れすぎて割れが発生するものがあります。
クリムゾンフィールドでは、そうした「食べることはできるのに商品にならないもの」をドライトマトへと加工することでロスを減らすだけでなく商品としての有効活用もおこなっています。
ドライにされたトマトは、フルティカ本来の栄養の劣化がなく味も凝縮されます。また、生のトマトと異なり長期に渡り保存できることも特徴。

私たち地区あつめは柳田さんと出会い、その思いに触れ、クリムゾンフィールドのトマトたちをもっと知ってもらいたいと思いドライトマト商品のリブランディングを進めてきました。

樽栽培の特徴が伝わるよう、商品名を「したたるとまと」と命名。ドライトマトの赤さが効果的に目立つよう袋は半透明のものを用い、デザインを白色で直印刷。

このしたたるとまと、まずはそのまま食べることをおすすめします。噛むたびに酸味と甘みが口いっぱいに広がる。その味の濃厚さは、この字面で伝わるイメージを簡単に超えてしまうほど。
そして、その味を知ったうえで料理に応用するとより楽しみ方が増えます。たとえば、ドライトマトを水で戻してみじん切りにし、ケイパーやハーブ、クリームチーズなどと混ぜれば「ドライトマトのチーズディップ」の出来上がり。

ほかにもドライカレーやパスタなどさまざまな料理に生かすことができます。使い方は無限大ですね。

素材の味がしっかりしているから試し方も広がる。あなたはどんな料理に使ってみたいですか。

農業生産法人株式会社クリムゾンフィールド

住所 :
宮崎市船塚2-9
TEL :
090-5293-5679(FAX:0985-68-3040)
Webサイト :
http://www.crimsonfield.com/