お酢を通じて宮崎を知る

高岡文旦フルーツビネガー

城下町の名残のあるまち、佐土原。巡っていると歴史を感じる建物が目につきます。その中で以前から気になっていた建物がありました。立派な木造社屋、どうやらお酢をつくっているらしい。訪ねてみると酸味のある香りが漂っています。ここは「石川工業株式会社」。この会社との出会いから素敵なものが後に誕生するとはこのとき誰も想像していませんでした。

会社だけではなく宮崎のために

石川工業株式会社は創業から91年を誇ります。代々受け継がれている製法を大事にしながらお酢を中心に製造・販売しています。年季の入った木造の社屋を見ていると会社が辿ってきた歴史を感じます。

「自社だけではなく宮崎のいいもの、眠っているものを知ってもらいたい」。
そう語るのは四代目の石川師康(かずやす)さん。四代目にあたる師康さんは若干27歳。しかし、お酢や菌の知識のすごいこと。一言それらに関することを質問すればたくさんの答えが返ってきます。

お酢は私たちが食する料理の中でよく使われるイメージがあり、健康に良い、疲労回復に良いなどの評判は耳にしますが、具体的にはよく知らないことも多いのではないでしょうか。

師康さんは周知のためお酢を使ったワークショップをおこなうなど精力的な活動をしています。「興味を持ってもらうためには努力を続けることが大事ですね。代々つづくお酢づくりを自分の代で絶やさないために歴史を守り続けていきたいです」と語る師康さん。

先の「宮崎のいいもの、眠っているものを知ってもらいたい」という思いは先代から受け継いできたもの。お酢づくりをとおし、自社だけではなく宮崎そのものが繁栄するように良さを広めていく。そのため、石川工業では宮崎の素材を使ったお酢づくりに励んでいます。

「日本酢(やまとす)」や「ブドー液」「リンゴ印ソースウスター」といったずっと愛されている商品から、3代目の榮康さんの代からつくられている「果実酢」シリーズなど幅広い商品があります。とくに果実酢は宮崎のいいもの、眠っているものを使用しており、お酢をとおして地域を知ってもらうことを大事にしている商品。これまでも日向夏やまたたび、ブルーベリーなどを使用してきました。

その一本一本が丁寧に手間かけてつくられてきたもの。老舗だからこそできる技術、そして品質。師康さんは会社の文化と歴史を背負い、今日も奮闘しています。

老舗が生んだ新作ビネガー

石川工業へ取材をしたのは、ちょうど高岡文旦を使用した商品開発の企画が上がっていたところでした。石川さんの「いいものを知ってもらいたい」という思いに共感した私たち。そこからスタッフの猛アタックが幸いし、高岡文旦とお酢のコラボが実現しました。

今回は果実酢の製法でつくっていきました。その工程としては、まず原材料(果実)をタンクに入れ、40度ほどのお湯と会社に代々伝わる種酢を加えます。そして2ヶ月かけて発酵させ、一度目の濾過をおこない、火入れをおこなう。さらに二度目の濾過をおこない…とじっくり手間をかけてつくっていきます。

石川工業のこだわりは香料を使わないこと。しかし、濾過のかけ方次第で旨味や香りも変わってしまうため調整が難しいといいます。そこは職人としての腕の見せどころ。

こうして誕生した「高岡文旦フルーツビネガー」。
文旦のほのかな香りが漂い、味わってみると程よい苦味を感じますが、それが料理をすると旨味へと大変身。使ってみてこそ真価が分かる商品になっています。
このビネガーに塩を少々野菜へまぶして浅漬けにするもよし。「直接飲む場合ははちみつや炭酸を加えるとおいしく味わえますよ」と話す師康さん。

高岡町を代表する農産物である高岡文旦。お酢という手段をとおして宮崎のいいものを広めていこうとしている石川工業。それらがかけ合わさったことで実現した今回の商品。宮崎の良きものがまた一つ増えました。

地区あつめでは宮崎の未だ知られていない良さを多くの人に届けたいという思いで活動してきました。先代をはじめ、師康さんの大事にしている「宮崎のいいもの」をキーワードに地域のことを知ってもらうという思いはどこか共通するものを感じます。そんな石川工業のつくる高岡文旦フルーツビネガー。皆様にお手にとっていただける日を楽しみにしています。

石川工業株式会社

住所 :
宮崎市佐土原町上田島3792
TEL :
0985-74-0046(FAX:0985-74-0068)
営業時間 :
定休日:土・日・祝
Webサイト :
http://xn--t8j491krnakys3a175hlhzb.com/