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日々の地区あつめ

われら地区あつめ隊の、めくるめく採集記

2019/06/17

豆に魅せられた男がつくる落花生

思わず、鳩が豆鉄砲くらったような顔をしちゃいました。
だって、お会いした梅木さんが豆のことばかり考えている人だったからです。
ぼくのような酒飲みにとって、切っても切り離せない「豆」なので、興味深いかぎりではあるのですが……。

先日、宮崎市中央卸売市場 関連店舗商店街にある「なっつべりーひやま市場店」を訪ねました。
煎りたて落花生・煎りたてアーモンド・ナッツ類を数多く販売しています。

とくに「自家焙煎落花生 うめもんじゃ豆 煎り豆太郎」は手が止まらなくなるおいしさ。しかも塩も使わず、焙煎しただけでおいしくなるのだから驚きです。ちなみに関連店舗商店街では、一般の人でも気軽に購入できます。

「ためしに落花生の栽培をはじめたんですよ」と店長の梅木さんにお聞きし、お忙しいのを承知しながら厚かましくも宮崎市山崎町にある畑をご案内いただきました。

国内に流通している落花生はほとんどが中国産で、わずかな国内産の8割は千葉県産。宮崎産はというとさらにごく少量です。もちろん、なっつべりーひやまさんの商品も例外ではありません。

このままでは、宮崎の落花生農家がいなくなってしまう、なぜつくり手が少ないのだろう? と嘆く梅木さん。でも、ただ嘆いているだけではありませんでした。だったら自社で落花生をつくってみよう、誰もつくらない理由も分かるかもしれないと考えました。

まずは畑を貸してくれる人を探すことから。市場の知り合いに片っ端からあたって、ようやく見つけたのが山崎町の農家長田さんでした。長田さんは、落花生のほか、きゅうりやかぼちゃ、お米、日向夏などを栽培しています。

今年の3月、梅木さんご自身で選んだ種(千葉半立・ちばはんだち)をまきました。実際の生育管理(草取り、肥料など。農薬を使用せず)は畑の持ち主である長田さんがおこなっているそうです。梅木さんは仕事の合間にちょこちょこ見にきては、苗の成長を見て、「おっー」と喜んでいるのだとか。

「カラスが悪さするとよ」と長田さんがおっしゃるように、カラスがマルチを破って種や豆を食べるなどの苦労があり、実際に苗の並びもまばらになってしまいました。「まったくカラスよ、苗を枯らすなよ(怒)」

落花生畑の苗に、黄色くて小さな花が咲いていました。
落花生の花はしぼんだあと、子房柄(しぼうへい)という細い管をのばし、地中に潜って実になります。花が落ちたところに実がなるのが、「落花生」という名の由来です。つまり、花が咲いて落ちることで実がなるのです。「早く花が落下せい!」と梅木さんは心のなかで思っていることでしょう。

このままいけば、8月に収穫ができ、乾燥させた落花生を自社でむいて、焙煎して販売してみるとのことです。梅木さんは、地元の落花生農家が増えることを望んでいます。落花生の契約農家をつくりたい、そのために買い取れる基盤づくりをしたいと、はじめた取り組みの一つが自社栽培でした。

山形出身の梅木さんと宮崎出身の奥様は東京で出会い、奥様のご実家「なっつべりーひやま」で勤務するために3年前、宮崎市へ移住されました。宮崎ではこんなに豆が食べられているとは知らなかった、と梅木さん。ほかにも、降雪の影響がないのがいい、横のつながりが広いのがいい、と東北との違いを楽しんでいます。

梅木さん、どんなときがうれしいですか?
「自分で焼いた豆が、『おいしい』『ここのを食べたらほかは食べられない』と、自分が焼いた豆が評価され、また買いにきてもらえるときです」

将来の夢も聞いてみました。
「ゆくゆくは豆の乾燥機を導入したり、焙煎機を自分の設計で新しくつくってみたり、事業も拡大したいです。また、豆で魅力を出して観光ツアー客を市場に引き込んで、市場の活性化につなげたいです。豆でどこまでいけるか、やってみたいです」

梅木さん、考えているのは豆のことばかりだと思って、最後に聞いてみました。

趣味はありますか?
「休日は子どもと遊ぶのが好きです。あとは豆と仕事のことを考えるのが好きです(にっこり)」

やっぱり、豆かい!(失礼)

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豆のことばかり考える店長がこだわりの焙煎豆を販売するお店
なっつべりーひやま 宮崎市中央卸売市場店
営業時間:7:30~14:00
定休日: 日曜・祭日、水曜

以前、ささきしをたが、なっつべりーひやま本店を取材したときのブログも併せてご一読ください。
煎りたての香り

この記事を書いた人

えいさん

3年前に旅行したときに出した自分宛のハガキが先日、自宅に届いていました。郵便屋さんに見られるかと思うと、ちょっと照れますね。★★★ 地区あつめ隊のあつめる係。 イチロー選手の引退により、ぽっかり空いた心の穴を埋めるべく、夜は焼酎で酔いがまわり、昼は宮崎市内の地区をまわり、情報をあつめています。オレンジのワーゲンバスが市内を走っていたら、左ハンドルをにぎっているのは、きっとぼくなのでお気軽に手をふってください。

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