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日々の地区あつめ

われら地区あつめ隊の、めくるめく採集記

2019/04/19

知ればかぶりたくなる

「継続は力なり」という言葉がありますが、私にとっては目にはまぶしく、耳には痛い言葉です。はい、そんな性分なのです。自覚しています。

地区あつめは以前から「麦」に関する取材や商品の開発をしてきました。
私も地区あつめの一員となってからは、小麦焼き菓子の販売やヒンメリなどに触れてきました。今回は誰もが一度はかぶったことがあると思う「麦わら帽子」を製作している宮崎の老舗、井上製帽所をお訪ねしました。

入る前から感じる帽子の気配。

お店のドアをあけるとたくさんの麦わら帽子があるではありませんか!
しかも色とりどり。
今回取材を快く受けてくださった店主の井上智文さんは4代目になります。
いろんな麦わら帽子を目の前に丁寧にお話をしてくださりました。

麦わら帽子の真ん中がへこんでいるものがありますよね。このかたちを「マニッシュ」というそうです。たしかにマニッシュ。おしゃれですてきですよね。
セレクトショップなどで売っていそうなデザインです。

帽子のお話を聞きつつ、まず案内されたのは帽子のプレス作業の現場です。
もうこのままかぶれちゃうんじゃないかな? と思う状態の麦わら帽子を機械にかけてプレスし、形を整えます。
この機械、ものすごい威厳を感じます。どっしりとしていてむしろ安心を感じるのは私だけでしょうか。たくさんの帽子の形を整えてきたのでしょう。

プレスのあとにつやだしや防水、汚れと型崩れを防ぐためにラッカーを塗り、屋外で乾かします。

次に縫製の作業場に案内していただきました。
2代目のころから働いている時任慶子さんはこの道60年。
麦わら帽子の縫製(ほうせい)をする方は以前は4〜5人いらっしゃったようですが、現在は時任さんお一人。

私たちがお邪魔したときは、小皿状になっている麦わらの縄を頭の形にぐるぐると縫い合わせていく作業をされていました。

私は麦わら帽子がどうやってつくられているのか考えたことがありませんでした。
こうして麦わらで編んだ一本の縄をぐるぐると渦を巻くようにつくられていただなんて。

しかも時任さん、ものすごい早業で帽子が縫われていきます。トータルで5分ほどで、頭のころんとした部分ができてしまいます。この工程のあとでつばをつくっていくようです。

麦わら帽子専用のミシンがあるんですね。黒い小さなミシンですが、貫禄が違います。
私は家庭用ミシンしか扱ったことがありませんが、通常のミシンだと上糸と下糸がありますよね。でも麦わら帽子専用ミシンは1本糸なのです。間違ってもやり直しができるからとのこと。それは心強い! でも間違えるようなことはないんだろうな、と思える手さばきの時任さん。職人技です。
時任さんは同じ大きさ、かたちで麦わら帽子を縫うことができます。
これがとても難しいのだそう。
同じ大きさ、かたちに縫わないとプレス機に入れてもかたちが崩れてしまうそうです。

縫製の際に麦わらで手が傷ついてしまうのか、「手が荒れるのよ」と、時任さん。

テープが何枚もはられた手は井上製帽所にとって唯一無二のもの。
かっこいいですね。

取材で訪れる前から思っていたことがあります。
麦わら帽子って誰もが知っていて、かぶったことがない人の方が少ないんじゃないかって。
現代は流行り廃りが激しいですが、麦わら帽子を年中かぶってもいいんじゃないかって思ったんです。農家さんとか関係なく。
宮崎って麦わら帽子が似合いますもの。

井上製帽所ではオーダーの麦わら帽子もつくれるんですよ。
自分にぴったりなサイズで、好きなデザイン・色の麦わら帽子いいですよね。

これからも宮崎で麦わら帽子をつくり続けていただきたいです。
いつか宮崎産の麦で帽子がつくれたらすてきですね。

地区あつめはこれからも麦に触れていきますよ。
近々、麦的な「何か」があるかもしれません。
Instagram、Facebookをお見逃しなく〜。

この記事を書いた人

あかざわ

地区あつめ初心者。宮崎に生まれ宮崎に育ち宮崎がだいすきなのに未だに道を覚えきれない方向音痴。好きな食べ物はオリーブとレンコン。趣味は読書、料理、気まぐれ筋トレ。とにかく今は色々経験したい。そして道を覚えたい。

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