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日々の地区あつめ

われら地区あつめ隊の、めくるめく採集記

2018/08/28

自然豊かな鏡洲の登り窯

みなさんは、登り窯をご存知ですか?
お皿や器が好きな方ならテレビや雑誌で目にしたことがあると思います。
陶磁器を大量に焼成するために山の斜面を利用してつくられた窯のことです。

今回は、宮崎市鏡洲で登り窯をつくられている陶芸作家の山本勘弥さんにお話をうかがいました。山本さんは、栃木県益子町で修行をおこないその後独立。宮崎で8年間「勘窯(かんがま)」を開きその後、栃木県茂木町に移り登り窯をかまえ、陶芸作家として活動をしていました。しかし東日本大震災で登り窯が倒壊、その燃料となる薪も震災の影響で取れなくなり作陶をつづけることが困難になり、御両親のいる宮崎に移住を決めたそうです。

移住後、これまでの活動はできないといったんは陶芸作家をやめようと思った山本さん。その後は震災で助けていただいた恩返しの意味をこめて、ボランティアで宮崎の就労支援施設や老人ホームを回り出張陶芸教室をはじめました。その間にまわりから再起の声や援助を受け2013年に「勘窯」を再始動させました。そして2014年に「登り窯再建プロジェクト」を実施。栃木県の仲間や多くの方の協力のもと今年6月に登り窯が完成しました。

さっそく完成したばかりの登り窯を見せていただきました。
山の傾斜地を利用して斜めにつくられています。内部は4つの焼成室に分かれており、一番下の窯口から薪を入れ火をつけ上に向かって熱が循環する仕組みになっています。窯の中の温度は、場所によって200度近く温度が変わるそうです。そのため焼けないものと焼けすぎるものがありガス窯や灯油窯に比べ効率の悪い窯だそうです。

山本さんは「ガス窯や灯油窯は個性的なものができない代わりに均一に焼ける。しかしそれでは自分らしいものができない。登り窯で個性的なものをつくろうとしている。失敗することも多いがそのなかで生き残ったものにこそ価値がある」と語ってくれました。

粘土を成形する様子も見学させていただきました。
土を練るところからはじまり、荒練りから菊練り。その後、蹴ろくろに乗せて土殺しをしたのち成形に入ります。硬い粘土が、山本さんの手にかかるとまるで柔らかい飴のように自由自在に。息をするのを忘れプロの業に見入ってしまいました。

ブログを読まれていて初めて目にした言葉があったと思いますが、ご察しのとおり、実は私焼き物が好きなんです。

取材をしたときは初窯に向け陶器を製作中でした。
「登り窯は完成したが、実際に焼いてみないと登り窯の良し悪しが分からない」と言う山本さん。このブログが公開されるころがちょうど初窯の時期。私たちスタッフも楽しみにしています。

この記事を書いた人

地区あつめ隊

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