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日々の地区あつめ

われら地区あつめ隊の、めくるめく採集記

2018/02/01

まちの時計店がつくる出会いと時間

私はまちをあてもなく歩くことが好きです。
まちを象徴する大通り。いくえにも重なる小道。古い建物から新しい建物。老舗のお店から新しいお店。そして、大きいお店から小さなお店まで。仕事、買い物、食事。いろんな目的で人があつまり一日がすぎていく。まちがみせる姿は多様で、ゆっくり歩いて目をこらすたびに発見があります。

まちはいろんな商店街があつまってできています。
JR宮崎駅東側の駅前商店街、「アミーロード」と呼ばれるこのストリートもその一つ。まちの中心部まで一直線につづいているこの道には、個性的なお店が軒をつらねています。

MAYRO Watch & Repair(マイロウォッチアンドリペア)は、そんな個性的なお店の一つ。アミーロードの一角にある時計修理とアンティーク腕時計の販売をしているお店で、2017年10月にオープンしました。

店主の福井雄士さんは愛媛県の出身。お菓子の営業職や時計店での販売職を経験したあと開業にいたりました。福井さんはとにかく時計が好き。なかでも古いものがお好みです。

福井さんは大学を卒業してから時計修理を学びつつアンティーク時計を収集していました。時計の知識は並みのものではなく、私が身につけていた腕時計を目にしたとたん、種類から原型、そして歴史にいたるまで次々と言葉がでてきます。また、知識にくわえて修理の技術も確かなもので「時計修理技能士1級」という資格もお持ちです。そのため、開業したてですが修理の依頼があとをたちません。時計修理店はまちの開業医のようなもの。福井さんのもとにはさまざまな症状をかかえた時計がやってきます。時計の具合をみるだけでなく、持ち主との会話も大事にする。ただ修理をするだけにとどまらず、持ち主の想いもくみとることで信頼を築いています。

こんなエピソードを話してくださいました。
ある依頼者は、数店舗で修理を断られたあと福井さんのもとへやってきました。依頼者のもってこられた時計はパートナーの大事な形見。どうしても直したいという想いを受けとり修理にいどみました。そして、無事に修理をなしとげ依頼者から感謝されます。この経験から「自分の仕事っていい仕事だな」と思うようになったといいます。

そんな福井さんのお店にはいろんな人が集まリます。修理や販売された時計を目的にこられる方だけでなく、福井さんのような時計好きの方、物めずらしげにお店をのぞく方など。そのたびに修理の手をとめ、会話をする福井さん。話に熱がはいり笑い声がひびく。その様子をみていると、まちに新しいコミュニティと人の流れが生まれたことに気づきました。

まちにはお店がたくさん。
カフェやアパレル店、お花屋さんに美容室など多くの業種のお店があり、そこに行かないと出会うことのできない人・商品・サービスばかりです。どのお店も、人の集まるコミュニティとして機能しており、人の流れをつくっている。お店の方とお客さんとの交流だけでなく、お客さんどうしの交流も生まれる。

商品やサービスの売買が活発におこなわれることはまちが活気づく大切なこと。しかし、それだけにとどまらず、なにげない会話が生まれる、ただそこに居たくなるなど、そうした人どうしの交流もまちが元気になる大切なポイントではないでしょうか。

MAYRO Watch & Repairは時計修理のお店というかたちで、このまちに新たなコミュニティをつくりだしています。この場所にしかない出会いがあり、この場所じゃないと生まれない時間がある。福井さんがこれからどんな人々と出会い、MAYRO Watch & Repairがどういうコミュニティとして育っていくのか、考えるとわくわくがとまりません。

この記事を書いた人

はんだ

東京人と福島人から生まれた宮崎人。地区あつめでは編集やライティングを主に担当。映画・音楽・本が好きですが、まだまだにわか。趣味はランニングとまちを徘徊すること。みんな、車なんて乗り捨ててまちを歩こうぜ。2019年はフルマラソンでサブフォーやるぞ。

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